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「ドミノ」(2005)

スタイリッシュ映像のたたみかけでドミノ総崩れ?

ドミノ キーラ・ナイトレイが実在したバウンティハンター(賞金稼ぎ)役にチャレンジするバイオレンスアクション。

父親が映画俳優で自分もモデルというセレブな環境に育ちながら、スリルを求めて危険な世界に飛び込む女性。こんな人物がいたことじたいに驚きですが、この作品では彼女が体験した実話を基にしているとのこと。

ああ、それなのに、実話が話になっていない。

それはすべて、スタイリッシュという言葉に置き換えられてしまう映像のせい。

アップが多くて切り替えが速い。しかもカメラが常に動き回っている。落ち着くところがないんですよ。

このため、観ているほうは全体が把握できず、ただ画面を惰性で見つめるだけになってしまいます。懲りすぎが裏目に出てしまい、ストーリーなどどうでもよくなってしまうんです。

まるでミュージックビデオを見ているかのような映像。ビデオクリップはあくまでも楽曲重視のはず。1曲だからいいのであって、この作品のように2時間ぶっ続けで見せられてはたまったもんではありません。

DVD収録のオリジナル予告編はカッコいいんですよ。予告編ならビデオクリップでもいい。でも、本編ではドラマを見せてもらいたいですね。

製作側が役者を信じていないのか、それともこういった映像がカッコいいと思っているのか、はたまた新しい作風を確立したいのか。

いずれにしても俳優陣が気の毒に思えてなりません。演じたというよりも、仕事をしたという感じにしか映らない。こういったダーティーな役柄ははじめてで拳銃を持ったことのなかったキーラは、はじめてライフルを手にしたシーンで震えが止まらなかったとか。新境地開拓に挑戦したキーラの努力が無駄になってしまったような…。よけいなお世話だったらいいんですけど。

キーラ・ナイトレイばかりに目がいきがちですが、ジャクリーン・ビセット、クリストファー・ウォーケン、ルーシー・リュー、トム・ウェイツ、(ついでにミッキー・ロークも)といった大物たちも出演しているだけに、もったいない。

劇中、こんなシーンがあります。キーラがラテン系の相棒に「なぜスペイン語ばかりで話してくるの?南米生まれじゃない私が理解できると思う?まさかそれがカッコいいと思ってるんじゃないでしょうね?いい加減にしろ!」

その言葉、そのまま製作サイドにお返ししたい。ドミノという人物をもっとじっくり掘り下げてほしかったですね。

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