「遠すぎた橋」(1977)
遠すぎた橋、多すぎる登場人物
第二次世界大戦中におこなわれたマーケットガーデン作戦の失敗を題材にした戦争超大作。
ダーク・ボガード、ジェームズ・カーン、マイケル・ケイン、ショーン・コネリー、ジーン・ハックマン、アンソニー・ホプキンス、ローレンス・オリビエ、ライアン・オニール、ロバート・レッドフォード…。主役クラスが勢揃いした、とにかくものすごいオールスターキャストです。
このなかで主役は誰なのかというと…決して誰も答えられないでしょう。「遠すぎた橋」に主役は存在しないのです。しいていえば、マーケットガーデン作戦そのものが主役とでもいうのでしょうか。
人間が主役ではないので、登場人物はブツギリの連続。そのため散漫な印象はぬぐいきれません。公開時はあたかもロバート・レッドフォード主演のような売り方をしていましたが、彼が出てくるのは2時間が経過してから。しかもボートをこぐだけというカメオ出演となんら変わらない出番の少なさ。さらに、ジェームス・カーンやローレンス・オリビエの出番のなさにも愕然とします。
ただし、戦闘シーンはそれなりの迫力。とくにパラシュート舞台の降下シーンは物量作戦が大成功。現代ならCGで済ましてしまうこと請け合いですが、このシーンをさまざまなアングルから記録している撮影がお見事。いまになってみると、というよりも、いまだからこそこの映像は見ておく価値があると思います。
この作品が地上波放送されたときは、音声多重放送スタートの記念番組としてオンエアされました。いまでいう地デジに相当するテレビの革命だったのでしょう。とはいえ、多重放送を受信できるテレビを持っていないとその恩恵は受けられないため、ステレオ放送を楽しむことはできず、通常となんら変わらぬモノラルの吹き替えで観たのをおぼえています。
ステレオといえば劇場公開時、飛行機が背後から飛んでくるシーンで本当に爆音が背後から聞こえてきたためビビッた記憶があります。今回あらためてDVDで観なおしたのですが、そのイメージはDVDでもしっかり残されておりました。
テーマ曲も映画音楽のなかの名曲のひとつ。失敗作を描いて大成功とはならなかったけれど、登場人物のブツギリ同様、ところどころに見どころの隠れた作品ではありました。
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